写真部さくら組の学祭写真展2012を見てきましたので、後輩向けの感想。

というわけで古巣の筑波大学の写真サークル「写真部さくら組」の展示を見てきました。
もう卒業して6年以上経っているけれどとりあえず邪険にされていないっぽいので今年も遊びに行ってきた。というわけでざっくり感想を。
サークルOBとしての感想なので甘いところもありますが見逃してください。出来るだけ辛口で書きます。
あと主に後輩向けエントリですが、学生の写真サークルなら参考になる部分があるかもしれません。

全体的に

写真展は今年さらに出展者を増やして20人くらい出していたけれど、スペースの関係もあってか1人1人の展示ボリュームが不足していた。テーマや表現が面白くてもそれぞれが語り切れていない。定食屋さんでご飯と漬物しかない感じ。

サイズ

結構毎年言っていることの繰り返しになるけれど、まずサイズの話から言うとそれなりに大きな教室だとよほど展示方法を凝らない限りL版、2L版のプリントそのままの写真はほとんど見てもらえないと思う。複数枚の組写真として展示するのであってもA4、6切あたりがプリントサイズのめどになると思う。単写真だったらさらに大きくA3、A2、4切、半切とか。

単純に大きく伸ばすだけで説得力は増す。「タイトル失念」(すだれの上のセミ?の死骸の写真)とかも夏の「終わり」に「死」という強いテーマを重ねていたけれど、プリントサイズが小さいためにモチーフが視界に飛び込んでこなかった。絵柄として好みな感じだっただけに残念。

毎年人数が増えているから展示スペースに課題が発生するかもしれないけれど、そこはぜひ作品優先で考えてほしい。今までだって展示用ボード(ベニヤ板に足をつけた掲示板みたいなもの)を作ったり、ボードを増産したり、組み立て式に改良してきたりをこのたった10年そこそこの間に行ってきたのだから、まだまだ発展させて行く余地はある。人が増えて展示スペースが足りなくなったのであれば、人はいるわけだから皆で頑張ればいいじゃない。

真似しろとは言わないけれど、私が現役の時は展示用ボードを人力で春日キャンパスから体芸棟まで運んでいたよ。

枚数とか構成とか

スペースの問題があってお互いに遠慮しあった結果だと思うのだけれど、よほどピンポイントなテーマ(タイトル)でなければ1人1枚で完結することってなかなか難しいと思う。

特に日常的なテーマは撮っている側からすれば撮り続けている、意識し続けているからストーリーが編まれているのかもしれないけれど、見に来た人は初めてその写真に接しているわけでそこに至るまでのストーリーを見せていく方法が基本になるはず。

壁面展示で複数枚を並列に見せていくのか、ブック形式で連続的に見せていくのか、フォトエッセイ風に言葉を重ねるのか、他にも方法はあるかもしれないけれど奥行き、広がりを作っていかないとテーマだけが独り歩きして鑑賞者の中にストンと入っていかない。

タイトルとのバランスという他にも、写真の中で連続性を持ったものであればその連続性を1枚で活かすのか、複数枚でさらに連続性を生み出すのかというところにも発展させて行ってほしいと思った。タイトル失念しましたが並んだ招き猫の写真は招き猫が多く並ぶ写真が1枚で展示されていましたが、同じように招き猫がたくさん並べられている写真を複数枚並べたらもっと面白くなるんじゃないかと思った。

個人的にはテーマ先行ストーリー重視で展示を考えるようにしているので、写真先行とか、視覚的なインパクト優先とか、もっとほかの方法論で考えている人には当てはまらないだろうけれど、テーマがあったのであればそれを表現しきるための表現を考えていってほしいと思った。

そういう意味では「リア獣」(鹿がキスしている写真)とかはコメディ的写真として単写真を成立させれていたと思う。

鑑賞者を意識すること

コメント帳にも書かれていたけれど、見る人を意識することは結構大事で。単純に見る人を圧倒して飲み込むだけの作品が作れるのあればあまり意識する必要はないのかもしれないけれど、それはかなり難しい。

たとえば何ヶ月もかけて構想を練っている時にも陥りがちだけれど、自分の持っている制作意図はかなり丁寧に説明しないと伝わらない。

もっと一般化するとこれまでの人生の背景が近い人は説明が少なくて済むけれど、人生の背景が違う人はかなり説明しないと伝わらない。これは写真に限らず表現すべて(日常会話が通じるかどうかというレベルまで含む)に関する話で、仲の良い友達であれば「昨日のあれ」「交差点のあの店」とかで会話が成立したりするけれど、普段交流のない別の土地の人、別の世代の人に対して同じ表現では話が通じない。

たとえば今回「合同読書感想写真」(4人で同じ文学作品を読んだ感想をベースにそれぞれ写真集を製作する)という面白い試みをしていてすごいと驚いたけれど、展示を見た時に同じテーマで写真をまとめたとはわかったけれど「合同読書感想写真」だとわからなかった。それぞれの写真集を見て文学作品の引用が多かったり、出典が記載されていたのでぼんやりと意図がわかってきたけれど、写真集とは別の感想文がまとめられたファイルに目を通してやっと意図が確信できた。

個々の作品レベルでは読書感想写真として読めるのだけれど、それが4人ともそうなのか「展示」としてそうなのか、というところがわかりにくかった。また根本的なところでは鑑賞者が読書対象の作品内容がわからないと写真作品の意図が理解してもらえないというところが改善点と感じた。最初に目につくところに簡単に試みの意図と作品のあらすじをキャプションボードにして設置しておくだけでずいぶん鑑賞者とのギャップは埋められたのではないかと思う。試み自体は非常に面白いと思っただけにもったいない。

こまごまと

展示作品数、出展者数が多くなってきたので感想を書くときに前の方に展示されている写真のタイトルとか作者を忘れてしまうので、感想シートとクリップボードの形式で来展者に配った方が書きやすいと思う。あとボード渡されると結構みんな書いてくれるもんです。

展示したい人はみんな展示できて、自由にまとまりがないのがさくら組展示のいいところだと思うのですが、数も多くなってきたのでテーマ展コーナーを設けてもいいかも。こちらはサークル内コンペで選抜とかでもいいんじゃないかなと。

他にも個人コーナーとか。撮っているテーマによっては少し隔離して世界観の作りこみをした方が良くなる展示なら、コーナーを区切って与えるとか考えた方が全体として良くなる気がしました。

以上、好き勝手書いてみた。

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