デザインフェスタvol.33にちょろっと出てきました。

というわけでデザフェス1週間前に急遽穴埋めとして出展することになったので(この段階で死亡フラグ)、1品くらいは新作を作らないとなるまい、と思ってネガ漁りから開始。

未発表ネガで気に入っていたカットがあったのでそれをいつものようにオルタナティブプリントに。
最近はずっとサイアノタイプ+紅茶調色で作っていましたが、御苗場2011の制作時に知ったサイアノタイプ with ゼラチン、というのを試してみようと思って色々考えていたら「ゼラチンサイアノって、絵具入れたらチバシステムじゃないか?」と思ったのでゼラチンサイアノチバシステムでプリントすることに。
ある程度解像感のある絵にしたかったので紙はコットマン細目を使用して、ネガは6×6のネガからトリミングして8×10サイズにした薄めのデジタルネガを作成。
チバシステムで使用した絵具はホルベインHWCのバーントアンバー、サップグリーンを1:1で投入。

デザインフェスタ vol.33出展作。
左側の電信柱に二人の女の子の名前(「なっちゃん」「じゅんちゃん」)が書いてあって、後日「あいりちゃん」が間に割り込んで相合傘を書き足したという図。なんというか言いようのない気持ちになった。

しかし頑張って作ってもデザフェスの中だとブース作りが一番重要なので1/3ブースしか使えない状態では注目度はゼロでした。
やっぱり出す時はゆったり出さないとダメですね。

まとめ:余白は極めて重要な作品の一部。

水墨写真失敗……。

水墨画と写真の融合。
に書いた水墨画材料でのプリントを試したところ、使えませんでした。

水墨画用の画仙紙という和紙だと水分を吸いこみ過ぎて、表面をゼラチン溶液でコーティングしてやっても裏まで墨を吸ってしまうので、感光後に洗い流そうとしてもビクともしなくなってしまいました。

あと、墨を使って水彩画用紙に書いても、水彩絵の具に比べて水墨画用の青墨は定着力が強いようで、ハイライトが抜けませんでした。チバタイプにはあまり適さないようです。

ゼラチンとの比率を調整すれば活路はあるような気もしますが、ひとまず保留に。水墨画画材は水墨画のために使うとしましょう。

ちなみに試した商品は
色紙箋 50枚綴り/書画用 甲州紙

玄林堂 玄林濃水墨 青墨 80ml

水墨画用品ってメーカー名とか主張していない製品が多くて紹介に困る。

水墨画と写真の融合。

よく「水墨画のような写真」というフレーズは聞きますが、「水墨画の材料と道具で作られた写真」というのは聞かないので作ってみようと材料を買ってきた。
さすがに本来の用途に使わないのも悪い気がしたので、試しに一筆水墨画を描いてみた。
続きを読む 水墨画と写真の融合。

チバシステムでのプリントに精進した。

とうわけで大分上達したのでプリントを公開してみます。
20091003-日暮里散歩(チバタイプ)
色はホルベイン透明水彩のバーントアンバーとランプブラックを2:1で混ぜています。

いろいろやってみたところ、以前書いたエントリ(「ついにチバタイププリントが出来た。」)の通りだとうまくいかないことがわかりました。

薬品

下地

  1. ゼラチン 0.3g
  2. 精製水 20ml

混ぜて湯煎して溶かすだけ。

感光材

  1. A: ゼラチン 0.2g
  2. A: 精製水 5ml
  3. クエン酸アンモニウム鉄(III)(緑色) 0.2g
  4. 透明水彩絵の具 1g
  5. 精製水 5ml

Aを混ぜて湯煎して溶かして、クエン酸アンモニウム鉄を入れて溶かして、絵の具を溶かして、精製水入れて湯煎する。

漂白液?

  1. オキシドール 50ml
  2. 水道水 450ml

混ぜるだけ。

処理手順

印画紙の作り方

  1. 支持体(コットマン水彩紙(中目)がオススメ、コットマン水彩紙(細目)はより高解像になる。リンク先は値段の桁を間違えている様子、注意)に下地を薄く塗る。湿らせた幅広のスポンジブラシで塗ると楽。
  2. ドライヤーで乾燥
  3. 支持体に感光材を塗る。ここで均一に薄く塗るのがコツだが、筆で塗った方が刷毛目が出て雰囲気が出る。
  4. ドライヤーで乾燥
  5. 出来上がり

デジタルネガの作り方

THE ALCHAMIST’S PLACE – ScanDotCalcインストラクションを参考に作り方を見直しました。
トーンカーブの作成部分を全部飛ばして、Digital Negativesで配布しているEpson 2400(=PX-5500)用のトーンカーブのOHP-Pdというトーンカーブを流用。

焼きつけ

  1. 印画紙にデジタルネガを重ねて密着させる(コンタクトプリンタがあると便利)
  2. ブラックライト光源を印画紙から約10cmほどの距離に設置(こういうライトこういう電球型ブラックライトを使うと楽)
  3. 20分間露光
  4. 露光後、速やかに漂白液に30秒ほど浸す。特に像面を液に浸すようにする
  5. 40度程度のお湯で洗う。画像面に水流を当ててハイライトを抜いていくイメージで
  6. 乾燥
  7. 出来上がり

二重、三重と焼きつけるときは、下地、感光材を再度塗って、焼きつけを行う。
CMY(+K?)の多重焼きをすればカラープリントもできるはず。

ついにチバタイププリントが出来た。

試行錯誤したところ、ここに書いてある方法ではいま一つうまくいかないことがわかりました。
最新の記事を参考にしてください。

ガムプリントよりゼラチンプリントの方が楽らしい。
The Chiba System 千葉方式の準備を着々と。
このあたりの続きです。

実験開始から8回目の挑戦にしてやっと成功しました。
ついに古典印画デビューです。
もう少し追い詰めればもっと良い感じにプリントできそうですが、ひとまずレシピをアップ。

  1. フォトショップなどを駆使して超硬調なデジタルネガを作成する(シャドウ、ハイライト部のディテールを失う程度に硬調に調整して、モノクロ2値化(ディザ分散)して、階調反転した画像をOHPシートにプリントする)
  2. ゼライス0.3gを精製水5mlで溶かす(湯煎するとよい)
  3. 2にクエン酸第二鉄アンモニウム0.15gを溶かす
  4. 3にホルベイン透明水彩ランプブラック(W&Nは高すぎて実験にはもったいなかったので変更)1gと精製水5mlを加えて溶かす(冷えて固まらないように注意)。これが乳剤となる
  5. 支持体(コットマン水彩画用紙)表面に1.5%ほどのゼラチン溶液(ゼライス0.3gに対して精製水20ml)を幅広のスポンジブラシでムラなく薄く塗布(厚く塗ると現像時にゼラチン膜が剥離する)
  6. ドライヤーで乾燥
  7. 上記の処方で作った乳剤を適当に薄く塗布(ムラは味になるが、重ね塗りはゼラチン膜剥離の原因となる、色を濃くしたければ絵の具を多くする)
  8. ドライヤーで乾燥
  9. コンタクトプリンタに支持体とネガをセットする
  10. 電球型ブラックライト(≠ブラックランプ)とクリップ式ライトスタンドを使って、印画紙10cmほどの距離に光源をセットする(用紙サイズに応じて調整)
  11. 2分間露光
  12. 速やかに現像バットに用意しておいた0.3%過酸化水素水(オキシドールの10倍希釈液)に5秒ほど漬ける
  13. 過酸化水素水を捨てて、40度ほどのぬるま湯をバットに入れる(水流が直接乳剤に当たらないように注意)
  14. 現像バットを揺らしながら何度かぬるま湯を交換しつつ、絵の具が溶け出さなくなるまで揺らす
  15. 取り出して乾燥して完成

すべての作業は日光の入らない蛍光灯下で作業可能です。普通の(紫外線の出ない)蛍光灯だとどんなにあてても(6時間ほど)ほとんど反応しないことは確認済みです。
どんなプリントになったかは、紙が乾燥し次第後ほど。

実験途中からウィンザー&ニュートン アーティストカラーからホルベイン透明水彩(HWC)に変更しました。理由はコスト、なんせW&NはHWCの3倍以上のお値段です……。小学校で使う水彩絵の具よりもはるかに高級なHWCよりもさらに高級な絵の具なのです。さすがに失敗続きの実験には使い続けられませんでした。
あと、レシピ公開にあたって一応入手性も考慮。絵の具の単色売りするような大きめの画材屋ならW&Nは扱っていなくてもHWCは扱っているはず。AmazonでもHWCは単色売りしてるし。

The Chiba System 千葉方式の準備を着々と。

2009.03.25
ガムプリントよりゼラチンプリントの方が楽らしい。
の続きです。

使用液の調製で0.15gとかpH4にするとかが平気で出てきていたので、「そんなん目分量でできるかーっ」ということで0.01g単位で測れる電子ばかりと、pH0~14まで測れるpH計を購入しました。

楽天の天衡商事さんにて

  1. 「超小型デジタル光る精密はかり0.01gで100g計量スケール秤」 2.2k
  2. 「新品●デジタルPH計*PHメーター:ペーハー計」 3.8k

の2つを購入しました。天衡商事に3/24 12:00ごろに発注して、3/25 午前中に荷物が届きました(不在だったので再配達してもらいましたが)。対応激速です。
どちらも輸入製品ですが、日本語マニュアルが付いてくるので問題なさそうです。どちらもこんなに安く買えてしまうとは思っていなかったのでびっくり。
はかりは特にヤフオクで上皿天秤でも探さないとダメかと思っていました。

Amazon派の人はこちらが同等品ですかね。

0.01gのはかりって初めて使ったけど超たのしー。紙切れ乗せても0.33gとか表示されるし。
これ使えばプリント用紙の重さも測れますね。

クエン酸第二鉄アンモニウムも東急ハンズで扱っているらしいというネタをネットで見つけていたのでハンズ銀座で聞いたところ、取り寄せをやっていないと言われてしまいました。が、調べてみると一部のハンズでしか扱っていない様子。北海道と東京で言うと、

  • 札幌店
  • 渋谷店
  • 池袋店
  • 新宿店
  • 北千住店
  • 町田店

で取り扱いがあるようです。

また、勤務経路の神田駅近くに取り扱いしている「鈴木化学薬品」という業者があるらしい。明日にでも問い合わせてみようと思います。

用意するものは

  1. くえん酸鉄(III)アンモニウム(緑色) →このリストにあるお店で取り寄せられる様子。ハンズだと店員が詳しくないので「ドクターシックハウス」を見つけて同じメーカーの試薬を取り寄せて欲しいとせがむ。「クエン酸第二鉄アンモニウム」だけだと「違う商品名ですが……」とか言われて面倒なので注意。
  2. 希塩酸 →ダイワ クエン酸 (結晶) 500gじゃだめかな?
  3. フェリシアン化カリウム(赤血塩) →ビックカメラでも売ってる
  4. 過酸化水素水 →オキシドールA 100ml
  5. 蒸留水 →コンタクトレンズ用 精製水 500ml
  6. ゼラチン(ゼライス) →近所のスーパーで
  7. ヒバ材 →ハンズでハガキサイズあり
  8. 水彩絵の具 →手持ち、もしくはチューブ状のものを世界堂あたりで適当に
  9. 薬包紙 →薬包紙 パラフィン紙 薄手 中
  10. 薬さじ →生活の木 ミクロスパーテル

1,2がなんとかなれば他は何とかなるでしょう。
ヒバ材は銀座ハンズに行ったときに「木のはがき」という商品名で30種類くらいの木製ハガキが扱われていました。販売用なら手頃かな。A4サイズ程度のヒバ板材があればよいのだけど……。


2009.03.27
ハンズとかでいろいろ問い合わせたので少し加筆修正。

ガムプリントよりゼラチンプリントの方が楽らしい。

古典印画法に興味を示す。
にて紹介したThe Chiba System 千葉方式の論文を読んでみました。

もともと絵の具を使って好きな色のプリントを作ることができるということからガムプリントに興味をもって調べ始めましたが、ガムプリントの一般的な処方では「重クロム酸アンモニウム」とう毒劇物を利用するため、もっと安全な方法を探し始めました。
そこで見つけたのが「The Chiba System 千葉方式」です。欲しい情報は処方と処理方法なので論文の該当部分(Chap.4-3,6)を読んでみました。
ざっくり要約すると以下のようになるようです。

そもそもガムプリントとは異なる化学変化(モノマーに紫外線を当てて重合反応を起こしてポリマー化させるそうな……よくわからん)を利用します。
ゼラチンを使う処方と、アラビアガムを使う処方を実験した。
アラビアガムを使う処方よりも、ゼラチンを使う処方の方が簡単、きれいで良い感じ。

ゼラチンでの処方は以下のとおり。

  • 0.3g ゼラチン(論文中では「ゼライス」を使用?)
  • 0.1-0.8g 絵の具(論文中ではホルベイン透明水彩のランプブラック)
  • 0.15g クエン酸第二鉄アンモニウム(貧血用の鉄剤、栄養ドリンクにも入ってる)
  • 水をくわえて10gに。
  • 塩酸を加えてpH4にするとなおGood。

この処方でだいたい六切り1枚分。
手順は以下の通り。

  1. 支持体(紙など)の裏にまんべんなくゼラチンを塗布
  2. 支持体をガラスに貼り付ける
  3. 支持体の四隅を耐水テープ(ガムテとか?)で固定する
  4. 滲み止め(サイジング)として支持体表面に3%ゼラチン溶液を塗布
  5. 扇風機で乾燥
  6. 上記の処方で、ゼラチン溶解→絵の具、クエン酸第二鉄アンモニウム溶解
  7. 薬品を支持体にブラシで塗布
  8. はみ出たり、塗りすぎた分を別のブラシでふき取る
  9. さらに別のブラシで軽く表面をならす
  10. 太陽光で5分ほど密着焼き
  11. 0.3%過酸化水素水(市販のオキシドールの10倍希釈)に5秒ほど浸す
  12. 40度ほどのぬるま湯で未露光部分を洗い流す
  13. 扇風機で乾燥
  14. EDTA溶液に浸す(でも高いので省略可能?)
  15. 耐水テープを外して、裏面のゼラチンも洗い流す
  16. 扇風機で乾燥

多重プリントしたい場合は4から13を繰り返せば良いらしい。
意外と簡単かな、EDTA溶液を省けるかどうかが問題か。Fe-EDTA高いよ……。
ガラスはアクリルでも良いかな?ガラスだと間違いなく作業中に割る……。
絵具はホルベインではなく、贅沢に手持ちのウィンザー&ニュートンを使ってみようかと。
単層プリントならサイジングにアクリルジェッソ使えば紙以外(石、板など)にもプリントできそうだ。クリアメディウムなら多重プリントもいけるか?
ヒバ材へのプリントがしたい。けど、ヒバ材ってどこで売ってるんだろう。A5~A4程度の大きさの板材が安く買える店があるとよいのだけど……。

古典印画法に興味を示す。

御苗場の準備をサボってゴム印画(ガムプリント、Gum Printとも)について調べています。
いわゆる古典印画法(オルタナティブプロセスとも)の一つで、絵画っぽい仕上がりになるのが特徴です。→flickrでの検索結果。

しかし、同じオルタナティブプロセスでも人気のあるプラチナプリント、パラジウムプリント、サイアノタイプなどと比べて情報量が少ない……日本語情報はほぼ皆無でした。英語サイトも探してみると入門ページがありました。→Billymabrey.com – Gum Tutorials

しかし、このガムプリント、重クロム酸塩アンモニウムという劇薬指定、公害の素が使用されているのが問題。なんとかこれを回避した処方がないかなぁ、と探していたらやはりありました。
The Chiba System 千葉方式 A Non Toxic Alternative to the Dichromate Processes(論文はPDFでダウンロードできます)
著者の小林裕幸教授の紹介は→こちら。
日本写真学界誌の第70巻2号に寄稿された論文のようです。
ひとまずこの論文を読んで実験してみようと思います。

にしてもこの論文の情報もmixiのコミュニティに書かれていた、というのを人づてに教えてもらったのですが、こういう情報の閉塞性(mixiに入らないとわからない情報)があるとmixiの存在が罪悪に思えて仕方がありません。