大判と古典印画とPyro染色現像。

ここのところ、「自家調合」「Pyrocat-MC処方」とか言っているのは、フィルムから直接古典印画(最近の手法もあるから正確にはオルタナティブプリントかな)でプリントしたいから、という欲求からです。
去年の春から初冬ごろにかけて取り組んでいたチバタイププリントでは、

  1. 135判、4×5判からフィルムスキャン
  2. デジタルネガ用に編集
  3. デジタルネガをインクジェットプリント
  4. 焼きつけ

という手順を踏んでいましたが、正直デジタルネガ作りが面倒くさい(笑)
というのも今デジタルネガでプリントしているサイズが大四切くらいなもんで、あまりデジタルネガを作る喜びがないという……。半切とか全紙くらいのサイズにするならともかく、それくらいのサイズにするなら4×5で撮ってそのまま焼きつければいいじゃない、と思うわけで。

普通に現像したネガ(うちはXtol 1:4希釈、30分静止現像)だと、コントラストが足りないけれども普通に高コントラストな現像をするのも抵抗あるし……と思っていたところでPyrocat-HD染色現像と出会いました。
古典印画で紫外線焼きつけするときは高コントラストなネガとなって、フィルムスキャンやゼラチンシルバーでのプリント時は普通のネガのように見える。希釈静止現像にも適するという素敵処方!
難点は国内ではP.G.Iでしか取り扱いがなくて、分量も多い(使用液で50L分)ということ。だったらいっそのこと自家調合してしまおうかな、と。自家現像ならPyrocat-HDの改良版のPyrocat-MC処方で作れるし。Pyrocat-MCは自家調合じゃないと入手できないしね。
そうそう、定着液もアルカリ定着液を使わないといけないので国内ではちょっとお高いクリアフィックス1択になってしまいますしね。これも自家調合(TF-3処方)してしまいましょう。もっとも定着液についてはTF-3もクリアフィックスも価格的にはほぼ変わらず、安定性はクリアフィックスの方が上だと思うので自家調合するのは完全に趣味です。

そんなわけでPyrocat-MCをやりたいわけです。
で、本題(やっとかよ)。

4×5の密着焼きでの作品制作が中心となるわけですが、やっぱり小さいよねー、と。
私が取り組んでいるチバタイプ(とたまにサイアノタイプ)はプラチナ、パラジウムなどの貴金属プリントに比べて、絵画的な表現になる(=精細感のない)プリント技法なのであまり小さすぎるのも微妙なんですよね。
サイアノタイプはともかく、チバタイプはかなりザックリした(笑)解像感なので、絵画と同じく「大きなことは良いことだ」的なところがあります。

そこで8×10などのより大きなフォーマットに興味が(笑)
以前大判に手を出す際に長岡製作所にて話を聞かせてもらった時に「大判を始めるなら4×5からがいいけれど、4×5に慣れたら8×10でも大きくなるだけで手間は大差ないよ」と聞いていたので物欲がむくむくと。
タンクも2枚用のJOBO2830なら個人輸入で送料込みで17k程度だし。うーむ……でもフィルムが1カットあたりカラーで1k、モノクロでも500円くらいなのはきっついな……。おとなしく染色現像の4×5で楽しむことにします。
手間が減った分を、カラーフィルターを使用したモノクロ3カットでのカラープリントとかに向けるとしますか。

20100110-札幌散歩。その2。
Olympus TRIP35, Kodak 400TX, Xtol(1:4希釈) 静止現像30分

ShINC. PRIZE 2009用のプリントができたー。印画方法の選択について。

というエントリを11/2にアップしようと思っていましたが、力尽きていました。

ShINC.主催の「¥3000円で写真売りましょ!買いましょ!展 The 2nd」に出展した写真がShinc. PRIZE 2009にノミネートされたというのは前に書いた通りなのですが、手元に残っていたプリントが出展した中でどちらかというと今一つな方を残していたので、再出展にあたってすべて刷り直し。
前回の出展時には身につけてなかった多重焼きをチバタイプカラープリントに精進する中で身につけたので、今までの一度焼きでは出せなかった階調が出せるようになりました。

まぁ、二重焼きにするので2倍時間がかかるんですけどね!!

というわけで、8時間ほどかけて5枚をプリントしてました。寝ずに!平日に!!

いままで、最大濃度を高めるために同じ濃さの感光材で二重焼きとかやっていましたが、階調出すためなら濃い液であっさり目(20min.)にシャドウを焼いて、薄い液でじっくり(30min.)焼くとかなり良い感じになった。
多階調印画紙で号数変えて複数回露光するのと感覚的には近いかな。
液の濃さや色で適正露光が変化するらしいことも発見。この辺りはまたまとめます。

で、時間がかかるもののある程度思ったようにプリント出来るようになると、よくある「ゼラチンシルバーかインクジェットか」という議論が滑稽に思えてくる。アート、という意味で考えるのであれば、結局表現に適合したプリント方法かどうか、自分が好きだと思える方法かどうか、という基準しか意味をなさないように感じる。
アートという観点では使用する手法がメジャーな手法であるかどうかを基準にするのは本質的ではない。
メジャーな手法であるかどうかが大事なのは入門者の敷居を低くする、という意味合いくらいしか意義を感じない。

ちなみに
安全な手法かどうか、という基準もアートを追求するのであれば選択基準に含めるのは誤りな気もするが、中途半端に偽善者な私は環境負荷の少ない手法を選んでしまっています。まぁそれも含めて作者意図だ。歴史に残る名作を残せる大家ならちょっとくらいの環境負荷も大目に見てもらえるかもしれないけど、所詮駆け出し数撃つ必要あるのでエコに。といいつつ赤血塩(無脊椎動物には有毒、まぁ低毒性というやつです)は使いますけどね。
個人的な基準としては味噌汁を下水に流したときよりも低毒性であればよいかな、と。

ちなみに今手持ちのカードは

  • インクジェット(顔料、染料)
  • ゼラチンシルバー
  • チバタイプ
  • サイアノタイプ

といったかんじ。

PX-5500が用紙を認識しなくなった&チバタイプカラープリント開始。

ググってみると用紙認識センサに紙片などが付着して認識できなくなる事例がある様子。メーカー送りにて修理とのこと。

……展示2日前にそんなこと言われても困ります(滝涙)

代わりのプリンタを買ってくるわけにもいかないので、仕方なくPro9000でデジタルネガを出力。ネット上では顔料インクでないとデジタルネガに使えない、みたいなことが書いてあったけど露光時間を調整すれば普通に使える様子。自分でやらずには判断できないという好例。

染料インクが使えるならTPSやTPUにこだわらなくても良いような気がしてきた。
チバタイプにおいての話。プラチナプリントの人は出来るだけ高精細なデジタルネガが必要になるはずだからやっぱりTPS + K3インクというのは鉄板なんだと思う。

チバタイプでの大判プリント(といっても画面サイズでA4程度)をするために、電球型蛍光灯ブラックライトから、直管蛍光灯ブラックライト(捕虫、光化学用)に変えたことと、カラー用ネガ初挑戦、染料インクでのデジタルネガ、という変更要素に伴うデータ取りで丸1日半を要しました。せっかく会社休んだのに成果物はプリント一枚だけ……(泣)

そして絶望的なのはデータが撮り終わっても1枚カラープリントするのに2~3時間ほどかかること(4色刷)。
一度の失敗が「最初に戻る」なのはデフォです。

既製フレームのサイズデータ。

いつも展示用にはニールセンのインチサイズの写真額縁を使っているのですが、家に写真を飾ることを他の人に勧めるときにニールセンは敷居が高すぎる、というか値段も高いのでもっと安くて使いやすい額縁を探していました。
で、普通の人が額縁を最も買いやすい場所はどこかなぁ、と考えるとやっぱり写真用品店(ビックカメラとか、ヨドバシカメラとか)なんじゃないかと思います。
ハンズとかロフトにも額縁コーナーがありますが、デッサン用額縁なら選べば写真用にも良いのがありますが、やはり油彩とかの装飾付きの額縁が中心ですから。

フジフィルム製のフレームについてはこちらに寸法が記載されたPDFが公開されています。
一方、コニカ改め、コニカミノルタ改め、DNP改め、DNPフォトルシオ製のフレームについてはこちらに寸法の一覧ページが公開されています。

で、ある程度高級感があって現実的な価格(A4、六切用で3k程度)で、ガラス不使用(多少ぶつかった程度では割れないので安全)、サイズ展開が写真サイズ(六切、四切など)の他にA寸法(A4, A3)もあるというフレームを探してみました。

といったところでしょうか。

DNPギャラリーはニールセン#12の廉価版という感じのトラディショナルなタイプで使いやすそうです。
A4サイズのフレームもありますが、A4用紙に余白を付けてプリントしようと思うと抜き寸が200x287mmなので、各辺8mm程度ずつしか余白がとれません。セットのマットを活用するのであれば、A4でのプリントなら1サイズ小さい六切用(抜き寸181x231mm)を使うと短辺方向18mm、長辺方向36mmの余白が確保できます(窓から3mmの余白が見えるようにする前提)。
2mmのマットが使用できるのでいつもお世話になっているRooneeで国産無酸性オーバーマット(2mm)をオーダーしても六切用で740円、A4用で1,290円で作れる(2009.10.18現在)ので、マットはオーダーしてしまったほうが良いかもしれません。高級感も段違いですし。

Fujiプロフレーム特寸は前面が透明アクリルになっていて、マット不要で好きなレイアウトができます。なんとなく未来的なデザインという印象。
前面が透明アクリルなのでプリント上の余白は全てみえます。なので、余白なし(保存性から勧めません)、余白数mmでプリントしたものに合いそうです。
特寸ではなく六切用(抜き寸186x236mm)などであれば窓部分以外がマットのように隠されているので余白を確保できます。

まぁ、理想はニールセンのインチサイズと内寸が同じサイズの既製フレームが国内で流通することなんですけどね……なぜフレームのサイズはバラバラなのか、まったく。
と書いてて思い出した。以前、声をかけてくれていたハンドメイドのフレームメーカーさんに話をしてみようかなぁ……。


追記

店頭でいろいろ探してきました。

フジのA300とHQA202は板バネ固定なので、マットはブックマットでも行けそうです。質感も良い感じでした。ちょっと高いけど。
A300は良い感じですが、1,000円ちょい足すだけでニールセンの11×14が変えてしまうので微妙かも……(HQA202はニールセンで作ろうとすると2倍以上の価格差になるのでアリかと)。

チクマのFBは薄手なので高級感がいま一つですが、見た目はシンプルで使いやすそうです。標準のマット厚は2.2mmです。

チバシステムでのプリントに精進した。

とうわけで大分上達したのでプリントを公開してみます。
20091003-日暮里散歩(チバタイプ)
色はホルベイン透明水彩のバーントアンバーとランプブラックを2:1で混ぜています。

いろいろやってみたところ、以前書いたエントリ(「ついにチバタイププリントが出来た。」)の通りだとうまくいかないことがわかりました。

薬品

下地

  1. ゼラチン 0.3g
  2. 精製水 20ml

混ぜて湯煎して溶かすだけ。

感光材

  1. A: ゼラチン 0.2g
  2. A: 精製水 5ml
  3. クエン酸アンモニウム鉄(III)(緑色) 0.2g
  4. 透明水彩絵の具 1g
  5. 精製水 5ml

Aを混ぜて湯煎して溶かして、クエン酸アンモニウム鉄を入れて溶かして、絵の具を溶かして、精製水入れて湯煎する。

漂白液?

  1. オキシドール 50ml
  2. 水道水 450ml

混ぜるだけ。

処理手順

印画紙の作り方

  1. 支持体(コットマン水彩紙(中目)がオススメ、コットマン水彩紙(細目)はより高解像になる。リンク先は値段の桁を間違えている様子、注意)に下地を薄く塗る。湿らせた幅広のスポンジブラシで塗ると楽。
  2. ドライヤーで乾燥
  3. 支持体に感光材を塗る。ここで均一に薄く塗るのがコツだが、筆で塗った方が刷毛目が出て雰囲気が出る。
  4. ドライヤーで乾燥
  5. 出来上がり

デジタルネガの作り方

THE ALCHAMIST’S PLACE – ScanDotCalcインストラクションを参考に作り方を見直しました。
トーンカーブの作成部分を全部飛ばして、Digital Negativesで配布しているEpson 2400(=PX-5500)用のトーンカーブのOHP-Pdというトーンカーブを流用。

焼きつけ

  1. 印画紙にデジタルネガを重ねて密着させる(コンタクトプリンタがあると便利)
  2. ブラックライト光源を印画紙から約10cmほどの距離に設置(こういうライトこういう電球型ブラックライトを使うと楽)
  3. 20分間露光
  4. 露光後、速やかに漂白液に30秒ほど浸す。特に像面を液に浸すようにする
  5. 40度程度のお湯で洗う。画像面に水流を当ててハイライトを抜いていくイメージで
  6. 乾燥
  7. 出来上がり

二重、三重と焼きつけるときは、下地、感光材を再度塗って、焼きつけを行う。
CMY(+K?)の多重焼きをすればカラープリントもできるはず。

レンタルフレームの返却、そして今後の活動について。

今日、デザインフェスタで使用したフレームをRooneeに返却しに行きました。
Rooneeでは手頃な値段で美術館やギャラリーご用達のニールセンのアルミフレームを借りることができます。ニールセンのアルミフレームはとてもしっかりしていて高級感もあってよいのですが、購入すると結構高い(今回使った24x30inchは12k, 16x20inchも7kくらい)し、置き場にも困るからレンタルは助かります。
郵送もしてもらえるのですが、私は直接受取返却しに行きます。スタッフの方の知識も豊富なので、行くたびに展示や、今後の活動に役立つ話を聞かせてもらって帰ってきます。

で、今回の話は「いい加減デザインフェスタは卒業したら?」といったような話。
ちゃんとギャラリー借りて展示活動していった方が今後の活動発展のために良いのではないかという感じの話をされました。
自分でも去年末あたりに1,2年をめどに個展実施を目標に立ていましたが、最近写真を見に来てくれる人たちに「個展は開かないのか?」と言われるようになってきました。
いまだに個展に踏み切れていない理由は

  1. 1つのテーマで作品数を用意できていない
  2. 仕事があるので在廊し続けられない

が主な理由ですが、それぞれ話すと

  1. 作品数を揃えるのに時間がかかるなら時間をかければいい。働きながら2児を育てても2年ごとに個展を開催できているピンホール写真作家さんもいる。あと、小さいギャラリーを探すというのも手段の一つ。小規模なところであれば10~15点ほどでも足りるところもある。
  2. ギャラリースタッフが常駐して販売も代理してくれるギャラリーもあるからそういうところを探すとよい

という話を聞けました。あと、小規模なギャラリー情報とか。
まぁ、甘ったれるなー、という話ですわな。

あと、個展としてはギャラリーが独立していないカフェでの展示は微妙、とか写真専門ギャラリーがやっぱり理想、とか話を聞いてきました。
やっぱりギャラリーでの個展に向けて計画を練らないと息詰まるかなぁ……。

御苗場 in フォトイメージングエキスポ2009のまとめ。

御苗場 in フォトイメージングエキスポ2009の準備。
御苗場 in フォトイメージングエキスポ2009の準備。その2。
御苗場 in フォトイメージングエキスポ2009の準備。その3。ブース番号070。
御苗場 in フォトイメージングエキスポ2009の準備。その4。ブース番号070。
御苗場 in フォトイメージングエキスポ2009。ブース#070。
のまとめ。

結果は鳴かず飛ばずのかすらずでした(泣)
でも、感想書いてくれた人は本当に気に入ってくれて書いてくれていたようで嬉しかったです。ありがとーう。

今回いろいろと考えて展示に持って行ったけど、最大の失敗は最後の最後の設置の段階でボロボロだったこと……。
B0ノビという大きいサイズゆえにたわみ、ゆがみが出易いスチレンボードのパネル張りしかできなかったので、今までに木製パネル張りや、ブックマッティングを試してきたにもかかわらず、最終的な丁寧さが欠けた。
今回の展示内容は内容に合致する大きさにしたつもりだったが、会場の通路幅(=鑑賞距離)を考えると大きすぎた。サブとして用意した全紙サイズ程度でも十分に大きく感じたので(今回申し込んだ2ブース(W3m x H2m)だと6枚では埋めきれないけど、1ブースにすれば適切なサイズ)、変に欲張らずいつも通りにクオリティを上げる方向を目指した方が良いと思った。
全紙(457 x 560mm, A2(420 x 594mm)に近似)であれば、24×30のマットとフレームに収まるし、半切(356 x 432mm, A3ノビ(329 x 483mm)に近似)であれば、20×24で納まる。ちなみにA判の目安は長辺を短く(フィルムのアスペクト比に応じて)切る前提です。
Rooneeで額をレンタルするなら、マット同時作成で各10日間1,000円(20×24), 1,600円(24×30)と現実的な価格。ブックマット作成もミュージアムボードで作ったって、4,000円(20×24), 5,000円(24×30)。このサイズになるとブックマットにしても波打ちは出そうだからいっそ、オーバーマット(表だけのマット)にして、フジの裏打ちシートかバックシートを使えば2,500円(20×24), 3,000円(24×30)くらいで収まるはず。展示後の保管もP.G.I.の無酸性段ボールストレージボックスなら3,000~4,000程度で2インチ厚の箱が買えるので扱いも楽。
と考えると美術館とかでやってる保管方法が一番効率よくクオリティ保てるのか……。
大四切なら16×20というお手頃サイズ。大四切を多数でもよいのかな、と。

あと、壁への取り付けは今回も課題が残りました。おとなしくクギ打ち+フレームがいいのかもしれないけど、薄いベニヤ壁だとクギの安定が悪そうだしなぁ。専用のワイヤーとフックを使うのが無難かな……。御苗場でも額の取り付けで苦労していた人が結構いたみたいだし。あとは、イーゼルに立てるとかか。

あとは、裏打ちシート(もしくはフォトアクリル)と小さめの木製パネルで浮かせてクギ打ちしたところにひっかける方法も意外に安定していた様子。裏打ちシートを大きくして、オーバーマットと組み合わせても良いかもしれない。

スチレンボードを使うなら両面テープや写真用ボンドはよくないっぽい。弱粘着性のスプレーのりを使うのが良いかも。次回使うときはスプレーのりで。
展示方法についてはもっと真剣に考えないとなぁ……。

あと、この手の写真展で求められているのは組写真的な展示よりは写真集的な展示の方が高評価になるような感じがしました。

御苗場 in フォトイメージングエキスポ2009の準備。その4。ブース番号070。

御苗場 in フォトイメージングエキスポ2009の準備。
御苗場 in フォトイメージングエキスポ2009の準備。その2。
御苗場 in フォトイメージングエキスポ2009の準備。その3。ブース番号070。
の続きです。

会場設営しに行ってきました。ちなみに作品タイトルは「雨ニモ」。日暮里らしくテープでタイトルを張り付けてきました。
結局前日の夜から徹夜で仕上げて持って行くことになってしまいました(というか解説&感想帳に力入れすぎ)。
で、会場に設置してきたのですが、
 やはり地味だ……
まぁ、あまりキャッチーな感じで一般受けは狙っていないのは意図どおりなのですが、ちょっとひねりすぎたかも。理解してくれる人が何人いるかあやしい感じです。
少なくともオーディエンス賞は狙えないな。

しかもパネル張りの仕上げが微妙だった……というかB0ノビはパネル張りの難易度高すぎです。どうやっても波打つ……かといって業者に頼むと3諭吉は間違いなく飛ぶし。
あと全紙大のパネルも空気が入ってしまった。照明調整して目立たないようにはしたけど。
なんだか会場で設置するとなんだかんだとアラが見えてきます。自分まだまだっす。

とダメダメなところはいろいろ目につきますが、視線移動についてはかなり予想どおりな感じに設置できているのではないかと思います。ハロゲン照明が4灯も用意されているのが嬉しい誤算でした。もう、照明調整しまくり。
問題は感想帳(とは名ばかりの作品の一部となる日記帳)を手にとって見てくれるかどうか。そこがうまくいけば長滞在時間、印象付けが強く出来る気がします。まぁ、ブース数が多いのであまりそこまで見てくれる人はいないとは思いますけどね……。

ちなみに御苗場の会場条件はかなり良かったです。しっかりした白壁が標準で、2ブース頼めば継ぎ目もなくつながった状態の壁でしたし、1ブースあたりハロゲン照明が2灯設置されています。それでいて4日間で20k/ブースの参加費なら破格です。というか運営可能なのか?
○ザイン○ェスタとか、G○IS○Iとかの出展料がぼったくりにしか思えない……。御苗場良いよ、御苗場。まぁ、販売は一応ありませんが。
来年もあるならぜひ参加したいと思います。

ガムプリントよりゼラチンプリントの方が楽らしい。

古典印画法に興味を示す。
にて紹介したThe Chiba System 千葉方式の論文を読んでみました。

もともと絵の具を使って好きな色のプリントを作ることができるということからガムプリントに興味をもって調べ始めましたが、ガムプリントの一般的な処方では「重クロム酸アンモニウム」とう毒劇物を利用するため、もっと安全な方法を探し始めました。
そこで見つけたのが「The Chiba System 千葉方式」です。欲しい情報は処方と処理方法なので論文の該当部分(Chap.4-3,6)を読んでみました。
ざっくり要約すると以下のようになるようです。

そもそもガムプリントとは異なる化学変化(モノマーに紫外線を当てて重合反応を起こしてポリマー化させるそうな……よくわからん)を利用します。
ゼラチンを使う処方と、アラビアガムを使う処方を実験した。
アラビアガムを使う処方よりも、ゼラチンを使う処方の方が簡単、きれいで良い感じ。

ゼラチンでの処方は以下のとおり。

  • 0.3g ゼラチン(論文中では「ゼライス」を使用?)
  • 0.1-0.8g 絵の具(論文中ではホルベイン透明水彩のランプブラック)
  • 0.15g クエン酸第二鉄アンモニウム(貧血用の鉄剤、栄養ドリンクにも入ってる)
  • 水をくわえて10gに。
  • 塩酸を加えてpH4にするとなおGood。

この処方でだいたい六切り1枚分。
手順は以下の通り。

  1. 支持体(紙など)の裏にまんべんなくゼラチンを塗布
  2. 支持体をガラスに貼り付ける
  3. 支持体の四隅を耐水テープ(ガムテとか?)で固定する
  4. 滲み止め(サイジング)として支持体表面に3%ゼラチン溶液を塗布
  5. 扇風機で乾燥
  6. 上記の処方で、ゼラチン溶解→絵の具、クエン酸第二鉄アンモニウム溶解
  7. 薬品を支持体にブラシで塗布
  8. はみ出たり、塗りすぎた分を別のブラシでふき取る
  9. さらに別のブラシで軽く表面をならす
  10. 太陽光で5分ほど密着焼き
  11. 0.3%過酸化水素水(市販のオキシドールの10倍希釈)に5秒ほど浸す
  12. 40度ほどのぬるま湯で未露光部分を洗い流す
  13. 扇風機で乾燥
  14. EDTA溶液に浸す(でも高いので省略可能?)
  15. 耐水テープを外して、裏面のゼラチンも洗い流す
  16. 扇風機で乾燥

多重プリントしたい場合は4から13を繰り返せば良いらしい。
意外と簡単かな、EDTA溶液を省けるかどうかが問題か。Fe-EDTA高いよ……。
ガラスはアクリルでも良いかな?ガラスだと間違いなく作業中に割る……。
絵具はホルベインではなく、贅沢に手持ちのウィンザー&ニュートンを使ってみようかと。
単層プリントならサイジングにアクリルジェッソ使えば紙以外(石、板など)にもプリントできそうだ。クリアメディウムなら多重プリントもいけるか?
ヒバ材へのプリントがしたい。けど、ヒバ材ってどこで売ってるんだろう。A5~A4程度の大きさの板材が安く買える店があるとよいのだけど……。

古典印画法に興味を示す。

御苗場の準備をサボってゴム印画(ガムプリント、Gum Printとも)について調べています。
いわゆる古典印画法(オルタナティブプロセスとも)の一つで、絵画っぽい仕上がりになるのが特徴です。→flickrでの検索結果。

しかし、同じオルタナティブプロセスでも人気のあるプラチナプリント、パラジウムプリント、サイアノタイプなどと比べて情報量が少ない……日本語情報はほぼ皆無でした。英語サイトも探してみると入門ページがありました。→Billymabrey.com – Gum Tutorials

しかし、このガムプリント、重クロム酸塩アンモニウムという劇薬指定、公害の素が使用されているのが問題。なんとかこれを回避した処方がないかなぁ、と探していたらやはりありました。
The Chiba System 千葉方式 A Non Toxic Alternative to the Dichromate Processes(論文はPDFでダウンロードできます)
著者の小林裕幸教授の紹介は→こちら。
日本写真学界誌の第70巻2号に寄稿された論文のようです。
ひとまずこの論文を読んで実験してみようと思います。

にしてもこの論文の情報もmixiのコミュニティに書かれていた、というのを人づてに教えてもらったのですが、こういう情報の閉塞性(mixiに入らないとわからない情報)があるとmixiの存在が罪悪に思えて仕方がありません。