静止現像に挑戦してみた。

フィルム現像の際に現像液を希釈して現像速度を落とすと、現像ムラを低減することができるそうです。
そして、現像ムラが減ることで攪拌回数を減らすことができる、と。
しかも、攪拌回数を減らすことで現像液の消耗具合に撮像面上で偏り(ハイライトとシャドーの現像速度=現像液の疲労速度の違いによる)が出て、ハイライトとシャドー面の境界は現像液が交換されることで活発に現像されて続ける。よって、シャープネスが上がる、という仕組みらしい静止現像に挑戦してみました。
攪拌しないで済むならずいぶん楽なので期待。希釈して、攪拌しない分現像速度は遅くなるそうで、以下の処理でやってみました。

  1. XTOL(1:1) 12分 最初と最後の1分は連続攪拌、あとは中間で1回10秒攪拌
  2. 停止は水
  3. 定着は中外薬品版ハイパムフィクサーで適当に、というか無駄にこれも静止定着(笑)

最初、定着液の量が少なかったのか、定着ムラがでた(フィルムの半分しか抜けていない)ので焦る。が、冷静になってリールを裏返して再度放置定着。きれいなネガが仕上がりました。
結果はよくわからないけど、なんとなくシャープなような……もう少し実験が必要なようです。
XTOLも1:1希釈よりも1:2, 1:3希釈の方が良いのかも。

レンタルフレームの返却、そして今後の活動について。

今日、デザインフェスタで使用したフレームをRooneeに返却しに行きました。
Rooneeでは手頃な値段で美術館やギャラリーご用達のニールセンのアルミフレームを借りることができます。ニールセンのアルミフレームはとてもしっかりしていて高級感もあってよいのですが、購入すると結構高い(今回使った24x30inchは12k, 16x20inchも7kくらい)し、置き場にも困るからレンタルは助かります。
郵送もしてもらえるのですが、私は直接受取返却しに行きます。スタッフの方の知識も豊富なので、行くたびに展示や、今後の活動に役立つ話を聞かせてもらって帰ってきます。

で、今回の話は「いい加減デザインフェスタは卒業したら?」といったような話。
ちゃんとギャラリー借りて展示活動していった方が今後の活動発展のために良いのではないかという感じの話をされました。
自分でも去年末あたりに1,2年をめどに個展実施を目標に立ていましたが、最近写真を見に来てくれる人たちに「個展は開かないのか?」と言われるようになってきました。
いまだに個展に踏み切れていない理由は

  1. 1つのテーマで作品数を用意できていない
  2. 仕事があるので在廊し続けられない

が主な理由ですが、それぞれ話すと

  1. 作品数を揃えるのに時間がかかるなら時間をかければいい。働きながら2児を育てても2年ごとに個展を開催できているピンホール写真作家さんもいる。あと、小さいギャラリーを探すというのも手段の一つ。小規模なところであれば10~15点ほどでも足りるところもある。
  2. ギャラリースタッフが常駐して販売も代理してくれるギャラリーもあるからそういうところを探すとよい

という話を聞けました。あと、小規模なギャラリー情報とか。
まぁ、甘ったれるなー、という話ですわな。

あと、個展としてはギャラリーが独立していないカフェでの展示は微妙、とか写真専門ギャラリーがやっぱり理想、とか話を聞いてきました。
やっぱりギャラリーでの個展に向けて計画を練らないと息詰まるかなぁ……。

プリントサイズの話。その1。

半分は自分用メモ。
注:私自身は専門家というわけではないので以下の内容には誤りがある可能性があります。というか転用するときはちゃんと検証してからお願いします。
(2010.01.10追記)色々と間違っていたようです。135用のレンズで大体50本/mm程度だそうな。4×5が67よりも伸ばせないとか他にもおかしいところたくさんなので信用しないでください。後日書きなおします。

というわけで、プリントサイズのお話。
135, 120(645, 67), 4×5, デジカメなどで現実的な(少なくとも自分で納得できるクオリティの)プリントサイズの理論上の最大サイズを確認したいなぁ、と。
レンズの解像力(どの程度細かく写せるか)、フィルムの解像力、デジタルの画素数からのシャープさからの面を中心に見ます。階調性は比較する必要もなく、「アナログ>>>>デジタル」「フォーマット大>>>>フォーマット小」「ペーパー自体の階調再現性に依存」なのでここでは触れません。
よく、「このレンズは高性能だから全紙(457x560mm)でプリントしても超シャープでGood」「今回発売される新型デジカメはポスターサイズ(A1(594x841mm)以上?)でプリントしても余裕~♪」とかいう話をたまに見聞きしますが、それって本当?という話でもあります。

まずはレンズの話。
レンズの解像力の指標にはMTF曲線というデータがよくつかわれます。
これはざっくり説明すると1mmの中に何本の線(白線黒線の1対で1とする)を描画できるか。また、各本数で計測したときにコントラストをどの程度再現しているか(%で評価)、というデータです。ちなみに単位は「本/mm」または「LP/mm(LPはLine Pairの略)」。数値の目安としては80%以上のコントラストを保持していれば超優秀、60%以上ならぼちぼち優秀、といった感じらしいです。各メーカーのレンズのページに行くとたいてい掲載されています。
が、このMTF曲線は10本/mm(コントラスト確認用)、30本/mm(シャープネス確認用)を絞り解放とF8時でしか掲載されていないことがほとんどです。オリンパスはフォーマットが小さいためか20本/mm, 60本/mmで掲載されています(余談ですがさらに小さいコンデジGR DIGITALだと50本/mm, 150本/mmで発表されている)。
ここで知りたいのは最大解像力(といってもコントラスト低下(≒ボケ)をどこまで許容するかによって変わりますが)です。とりあえず、ざっくり30本の約3倍の100本/mmを135判での基準値とします(APS-C, 4/3といったデジタル専用は200本/mmとか出るというけど135サイズ前提ということで考慮せず)。ちなみにこれは50mmマクロ単焦点を基準にしています。大口径高級ズーム、その他単焦点あたりは90本/mmくらい、普及型ズームだと70本/mmを基準にすると良いかも……(この辺適当です)。
ちなみに中判、大判だと35mmよりも解像力が低いようなので、中判(645)70本/mm、中判(67)60本/mm、大判30本/mmくらいと仮定します。

  • 135: 100本/mm
  • 120(645): 70本/mm
  • 120(67): 60本/mm
  • 4×5: 30本/mm

次にフィルムと撮像素子の話。
普通の写真フィルムで最高の解像力を持つのはコダックT-MAX100とフジACROS100の200本/mmのようです。
ついで、ベルビア(RVP50, RVP, RVP F)の160本/mm。ほかのリバーサルは140本/mm。カラーネガはほぼすべて125本/mm。
コダックは公表されていませんが、大体同じ感じかと。クラシックタイプのモノクロネガも大体125本/mmなのではないかと、たぶん。
撮像素子でいえば、ニコンD3xが出力画像サイズ6048×4032 pixel、画像素子サイズ35.9×24.0mmなので、縦方向、横方向でそれぞれ「縦6048 / 36 / 2 = 84本/mm」「横4032 / 24 / 2 = 84本/mm」となり、84本/mmですね。フィルムよりも少ないですが、フィルムに比べてMTFのコントラストがほぼ100%になるのでしょうから単純に劣るわけではないです。これ以上を表現できないことは確かですが。

  • 白黒ネガ: 200本/mm
  • カラーポジ: 160本/mm
  • カラーネガ: 125本/mm
  • カラーデジタル: 84本/mm

ちなみにミニコピー用フィルムは850本/mmとか……世の中こういったフィルムを使っている方もいますが例外として扱います。

フィルム、素子側ではサイズも大事です。

  • 135: 36 x 24 mm
  • 120(645): 55 x 40 mm
  • 120(67): 65 x 55 mm
  • 4×5: 122 x 96 mm

で、組み合わせてみてみます。
解像力は低い方を使用して単位が2本の対なので2倍してサイズとかけています。
デジタルは仕様からそのまま転記。

単位:pixel 135 645 67 4×5
解像力 x 2 200 140 120 60
白黒ネガ 400 7200 x 4800 7700 x 5600 7800 x 6600 7320 x 5760
カラーポジ 320 7200 x 4800 7700 x 5600 7800 x 6600 7320 x 5760
カラーネガ 250 7200 x 4800 7700 x 5600 7800 x 6600 7320 x 5760
カラーデジタル 168 6048 x 4032

画像データサイズとしてはこのサイズ以上はほとんど意味がないと言えるでしょう。
# ただし、超高解像レンズ(Contax Gレンズなど)を使った場合は上記表の上限が上がるかと思います。
# とはいえ、各メーカーで1,2を争う高解像なレンズである標準マクロをベースに試算しているので、ほぼこの値が上限でしょう。
実は解像力(≒シャープネス)だけを見れば135だろうが4×5だろうがあまり大差はないということのようです(きわめて限定的な比較ですが)。

今度は各プリントサイズに必要なピクセル数。
一般に人間が30cm程度の距離から見て滑らかに見える印刷サイズは300~360dpi程度らしい(とはいえ点の集合が線、または面として認識されるのは600dpi程度らしい)。
また、プリントサイズが大きくなると必然的に鑑賞距離が長くなるために必要な解像度が下がりますので、ざっくりの目安として短辺500mmあたりを1つの区切りとして考えて、

  • 大伸ばし: 360dpi(=14pixel/mm) 参考:A2(594×420)、大全紙(610×508)
  • 超大伸ばし: 180dpi(=7pixel/mm) 参考:A0(1189×841)、B0(1456×1030)

とします。
で、必要なピクセル数を計算して当てはめていくとシャープにプリントできる理論上の最大サイズが以下のようになります。

単位:mm 135 645 67 4×5
白黒ネガ
カラーポジ
カラーネガ
大伸ばし 514 x 342 550 x 400 557 x 471 522 x 411
超大伸ばし 1028 x 685 1100 x 800 1114 x 942 1045 x 822
カラーデジタル 大伸ばし 432 x 288
超大伸ばし 864 x 576

ざざっと、以上のようになりました。これ書くのに何時間かけたんだろう……。
頑張れば上記程度までは伸ばせるようですね。もっとも135(特にカラー)は階調がかなり犠牲になるので現実的ではないかもしれない、など他の要素も絡んでくるので一概には言えませんが目安にはなるでしょう。
気になったのは、フィルムだとボトルネックはレンズなのでレンズを変えることで高画質化できますが、デジタルだとまだボディにボトルネックがあるということ。デジタルもボトルネックがレンズになってくれれば欲しくなるのかなぁ。

なんだかカメラを買うときの指標にもなりそうだけど、

  • デジタルは良いボディを買うことが大事
  • フィルムは良いレンズを買うことが大事

といえるのかも。
あと、デジカメ使いなのにあまりに高解像なレンズをもっているのは(Contax GレンズをLマウント改造して、M8につけるとか)、コントラストとか発色が気に入っているというのもあるかもしれませんが、レンズの性能をフルに満喫できていないという意味で宝の持ち腐れなのかもしれません。


2009.05.24 初掲載
2010.01.10 色々誤っていたので注記。後日内容も修正します。

ピクトランやっぱりよいね。

今回の組写真「雨ニモ」と組写真「定点観測 – Shinjuku2」はどちらもピクトラン局紙にEPSON PX-5500でモノクロプリントだったのですが、

  • 「これ……インクジェットですか?」
  • 「ファインアート、ファインアート」
  • 「美しくプリントされていますね」
  • 「ここまでいくと手焼きもインクジェットも大きな差はないですね」
  • 「この質感なら中間調がよさそうですね」「いやいやディープシャドウの締まりもなかなか」

みたいな感じでプリント品質については大好評でした。

私が最初ピクトラン局紙を使い始めた頃は、独特な面質(ラメのような繊維状の微光沢)が気に入らなくて、敬遠気味だったのですが意外や意外にモノクロなら全般的に相性良いし、カラーもレトロなテイストのプリント用であれば良い感じになります。
最近はモノクロプリントが多いのでピクトランが展示用標準用紙と化しています。ちなみにカラーならジャーマンエッチングとエプソン絹目調が展示用標準用紙です。

そういえば、ピクトラン取扱い店のメグロフォトスタジオさんのサイトで本サイトが紹介されているようです。→メグロフォトスタジオ ピクトラン取扱いページ
普段参考にさせてもらっているそうそうたる方々のサイトと並び紹介されているのでびっくりです。

デザインフェスタ行ってきました。

組写真2点の評判は上々でした。
同じ場所(フレーミングも同一)で撮り続けた写真を組にして展示したのは比較的新鮮だった様子。世界中探すと結構やっている写真家さんは多いけど、そこは自分の身近なところというか、自分の色が出るところで。

にしても毎度毎度感じますが、興味を持ってくれる人は外国人の方が多いですね。いい加減英語をしゃべれるようにならないとまずいかしら。
うちの写真を見に来てくれる人の傾向は割と固定していて

  • 外国の方 33%
  • 超美人なお姉さん 33%
  • 写真やってる青年 17%
  • ナイスなミドル 17%

という感じです。
「写真やってるとモテるよ」とあちこちでホラふいているのですが、あながち嘘というわけでもないかも……。

筑波大学写真部さくら組の後輩も見に来てくれて、今後の参考&次回出展につながればよいなぁ、と。

売上については聞かない方向で。いい加減販売する場を変えた方がいいかなぁ。
お世辞込みかとも思うけど「ここで展示しているのがもったいないほどクオリティが高い」とかありがたいコメントもちらほらといただけていたし。

展示の引き合いや、展示場所の紹介もいただけました。
額縁屋さんのJAM Framing Srv.さんブログはこちら)の店長さん?から声をかけていただきました。ブログを見てみたらなにやらオシャレ額縁屋さんの様子。ひとまず問い合わせしなければ。
あと、白金台のProspect hair designさんのご常連さんから「店長(オーナー?)が好きそうな感じだから問い合わせてみては?」というお声が。サイトを見てみるとギャラリー兼ヘアサロンとのことでなかなか敷居が高そうな雰囲気。玉砕覚悟で問い合わせてみようかと思います。
最大の障壁は1テーマで統一して20とか30とかの数の写真を用意できていないこと。最近1枚あたりにかける時間がどんどん増えているせいもあって数が少ないですがもっとどんどん撮らなければ……。

デザインフェスタvol.29に出ます。

まったく告知などしていませんでしたが、今日明日に開催されるDESIGN FESTA vol.29に参加してきます。
ブース番号はC-0435です。

御苗場@PIE2009で出店した『雨ニモ』のブラッシュアップ版と、雑誌『カメラ日和』主催の移動写真図書館に出展した初写真集『定点観測 fixed-point observation』から『Shinjuku – 2』の2点の組写真をメインで展示します。

展示用プリントを最優先で作成していますので、購入予定の方は日曜に来ていただけるとありがたかったりします。
そんなわけで準備に戻ります。