焦点距離の話です。
レンズの名前に続く、「50mm F2.8」の50mmの部分が「焦点距離」です。
普通の35mmフィルム(こちらの35mmはフィルム幅のことで、いわゆる普通のフィルムを指す。「135フィルム」が規格名)を使う場合(いわゆる35mm換算)だと、一般的に50mmを標準レンズとして以下のように分けられています。
超広角 17mm(104度) 20mm(94度) 24mm(84度) 広角 28mm(75度) 35mm(63度) 標準 50mm(47度) 中望遠 85mm(29度) 90mm(27度) 100mm(24度) 望遠 135mm(18度) 180mm(14度) 200mm(12度) 超望遠 300mm(8度) 400mm(6度) 500mm(5度) 600mm(4度)※超広角~広角、望遠~超望遠の境目のあたりは人によって結構適当です。
※()内は対角画角(対角線上で見て写る範囲=角度)です。
焦点距離の違いによって以下のような特徴があります。
広角
- 横方向に広い範囲が写る
- 奥行き方向にピントが合う(はっきり写る)範囲が広い
- 遠近感が強調される
- 被写体に近づくことができる
望遠
- 遠くのものが大きく写せる
- 大きくボケる(ピントの合う範囲が狭い)
- 奥行き方向に圧縮される
- 被写体を強調しやすい
※それぞれ広角になればなるほど、望遠になればなるほど特徴が強調されます。
で、実際に写真を撮るときには広角、標準、中望遠が一本ずつあれば8割方のジャンルの写真は撮れると思います。いわゆる標準ズーム(28~80mmとかってレンズ)だと一本でカバーできます。
逆にいえば、それでイメージ通り撮れなければ腕を疑ってみるのも良いかもしれません。ただしスポーツ写真の多くはここでいう例外に含まれるようです(望遠~超望遠レンズがよく使われています)。
各メーカーの看板単焦点レンズ(F1.4とかってついてるレンズ)が35mm(広角)、50mm(標準)、85mm(中望遠)の3本であることからもご理解いただけるかと思います。
これらの画角(写る範囲角度)を体で覚えるとファインダーを覗いて撮るまでの時間が短くなります。あと、ノーファインダーでも大体イメージ通り撮ることができるようになったりします。ズームばかり使っているとなかなか覚えにくいので、単焦点レンズを使うか、ズーミング禁止で訓練すると良いかと思います。
2008.8.20
公開。
2009.8.21
各焦点距離に画角を追記。