正しい色を見るために。その1「照明編」

ながらくPC用のモニタに使っているEIZO S2410Wの買い替えを検討しているのですが、調べている中でモニタとプリントの色合わせについて困っている方が結構居るようなので何度かに分けて書いてみようかと。

アマチュア写真作家にとって必要十分なレベルの内容までで書きます(というかそこまでしか書けません)。業務用途の方は予算とかだいぶ違ってくるので対象外です。

まずは照明編です。プリントを正しい色で見る環境がないと話は始まりません。一般的に正しい色とは日中の太陽光下で鑑賞した時の色を正として扱いますので、制作環境をいかに太陽光下に近づけるかということが課題となります。

課題と言っても正しい色を見るための照明は専用蛍光灯が照明器具各社から安価に販売されているので、そちらを使うのが最善です。これは業務用でも同じ、というか専用蛍光灯自体が業務用。
一般的に色評価用蛍光灯と呼ばれ、メーカーとしては三菱オスラム、東芝、パナソニックから販売されています。ちなみに照明器具は東芝がトップブランドです。ついで三菱オスラム、パナソニック、若干開けてNECなど、という感じでしょうか(主観あり)。

色を見る、という観点で蛍光灯を見るときの指標がいくつかあります。

1つ目は平均演色評価数で、単位はRa(ラー)で表されます。これは太陽光下をRa100としてどの程度色が再現されているかの指標です。色評価用蛍光灯ではRa99を達成しています。
(厳密には幾つかの評価の「平均」なので単純な高い低いでは比較できないのですがRa99であれば、平均であることも気にする必要はないと思います)

2つ目は色温度で、単位はK(ケルビン)で表されます。電球色などの暖色系の明かりは値が低く2500K程度、早朝などの寒色の明かりは値が高く6500K程度と言われています。そして日中の太陽光下は5000K〜5500Kとなります。

つまりRa99で5000Kの色評価用蛍光灯を使えばOKということになります。

と、ここまではググればすぐに出てくる話ですが、色評価蛍光灯にも美術館、博物館などで利用される「紫外線吸収膜付き」のタイプがあります。紫外線を長時間当てると褪色の原因になるためです。個人的には単純に色評価用蛍光灯ではなく「紫外線吸収膜付」色評価用蛍光灯(美術館、博物館用)をおすすめします。値段もほとんど変わらないので。

で、問題は紫外線吸収膜付も通常の色評価用蛍光灯も直管蛍光灯、しかも20Wと40Wしかないことです。
今の御時世、一般的な家庭ではLED照明か、円形蛍光灯、オシャレな家だと電球型だったりもするかもしれませんが、直管蛍光灯が使える方は少ないのではないかと思います。

どうしても色評価用蛍光灯が使いたい方、作品作りをする方はデスクライトで直管のFL20W型を使えるZライトを買いましょう。少し前まではもう1製品あったのですが、今はZライト1択になってしまいました(昔は1万くらいしていましたが、今はAmazonで割引されて7kくらいなのが救いです)。
壊れるようなものでもないし、長く使えるので写真やるなら買ってしまって良いと思います。私もながらく愛用していてデスクが変わってもZライトは引き継いでいます。

もう一つは妥協案ですが、Ra84程度で妥協することです(妥協と言ってもRa80を超えていれば十分かなと思います)。

実は一般的な蛍光灯は三波長蛍光灯と言われるものですが、これらのうち昼白色とかナチュラル色と呼ばれるものは5200〜5400Kくらいで、Ra84あります。仕事として厳密な色合わせをするには支障があるのかもしれませんが、常人が肉眼で見る限りは全く問題ない性能です。
製品としてはパナソニックのパルックプレミア、日立のきらりUVプレミアムゴールド、東芝のメロウZプライド、メロウZロングライフ、三菱のルピカパワープラチナ、NECのライフルックがRa84を公称しています。これらの円形蛍光灯を天井照明に載せ替えればほぼ正しい色で見ることが出来ます。
また、電球型蛍光灯だとパナソニックのパルックボールシリーズ、東芝のネオボールZリアル、NECのコスモボール、三菱オスラムのルピカボールがRa84です。電球型蛍光灯に対応したデスクライトは安く手に入るのでかなりお手軽に導入できると思います。

LEDは昔はRaが非常に低かったのですが、最近は各社演色性を向上させています。上記の三波長蛍光灯のRa84を上回るRa90という製品もあります。

一番は東芝の高演色LEDシーリングライトのキレイ色です。こちらは数年ごとにRaを高めてきていて現行はRa90です。日立のLEC-AHシリーズもRa90ですが、ちょっと高い。
あとはNECのLIFELED’SがRa85、パナソニックのEVERLEDSがRa83、と言った感じです。我が家でもNECのLIFELED’Sをリビングに使っていますが、料理がキレイに見えるのでオススメです。
価格コムでもLEDシーリングライトの詳細検索条件でRaで絞れるので参考になると思います。

作業環境の照明の入れ替えは一番効果が大きいと思います。あと明るさも十分に確保してください。普段はリラックス用に暗めにしていても作業中は明るくしておく必要があります。暗いとホント色が見えてこないです。

その2はプリンタの話の予定です。その3の液晶モニタの話は最近また少し状況が変わってきているようなので調べつつ書いていきます。

ではまた。